2022/06/08(水)
株式会社ミライ・トラスト
ブログ

AIでスーパーマーケットの来店客数はどこまで予測可能か



スーパーなどの流通小売業界においては、売上の最大化を図るために、経験やカンによる属人化を排除して誰でも効率良くお店を回せるような仕組みづくりがとても重要だと考えます。

売上目標を達成するためには来店客数、購買率、平均客単価の数字をKPIにすると良いと言われています。
今回は来店客数を予測することは可能かどうかについて考察してみたいと思います。

来店客数を予測してチャンスロスを減らす


スーパーにおいて来店客数が多い日はいつでしょうか?
一般的には以下のような日においてスーパーの来店客数が多いとされています。

・土日祝
・スーパーが設定するイベント日(ポイント○倍デーやチラシ特売日など)
・国民的イベント日(クリスマス、お正月、節分など)
・地元のイベント日(お祭りなど)
・会社の給料日やボーナス日(一般的に10日、15日、20日、末日が多い)
・年金支給日(偶数月の15日)

これらの日は普段よりも来店客数があるので一日あたりの売上金額が高くなる傾向があります。
そのため、通常日よりも商品を多めに発注、製造、品出しすることでチャンスロス(本来売れていたであろう商品の売上機会損失)を防ぐことができます。

さらに、これらのイベントが重なる日はその傾向がより強く現れます。
例えば「偶数月の15日であり、土日祝であり、ポイント○倍デー」などの条件が重なった場合です。
これらの日はチャンスロスが少なくなるよう、特に通常よりも多くの発注・製造を意識すると良いかと思います。

AIでどこまで来店客数を予測できるか


上記のような推測可能な日以外にも来店客数が多い日とされている日は地域や店舗ごとに存在します。

例えば、A町のB店においては「晴れの日で気温が○度以上の場合は寿司が売れやすい」などの限定的なシチュエーションにおける傾向などを指します。
これらの条件は現場の有識者であれば、カンや感覚である程度分かるかもしれませんが、あくまでも属人的な判断となり、他のスタッフにおいては再現性がありません。

これらの限定的なシチュエーションを逃さないためには需要予測AIを用いることが重要となります。
需要予測AIを用いると今まで定性的だった判断材料を定量的に把握することが可能になります。需要予測AIといってもさまざまなタイプが存在しますので、以下に一例を紹介します。

・過去の売上データや携帯電話の位置情報、競合の動向、天候などの気象データを元に季節性のトレンド、来店客数を予測する
・データから規則性を洗い出して因果関係を特定する(例 晴れの日で基本が○度以上の場合は寿司が売れやすい)
・有識者の知見や経験などの属人的なデータを元にしてモデルを作る

これらのAIモデルを活用しながら来店客数の需要予測を構築してPoC(戦略仮説・コンセプトの検証工程)を繰り返してモデルの精度を上げていきます。
AIによる来店客数予測サービスはすでにいくつか存在し、その中には予測的中率が95%以上という実績があるモノも存在します。

EC市場が加速する中、リアル販売を主軸とするスーパーマーケットにおいてAI需要予測によるチャンスロスやコストの削減が必須になる日も近いかもしれません。
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