日本人は「他人の評価」が気になる
インターネットやスマートフォンの普及以前、飲食店の選択基準は「直感」に依存していました。例えば、街を歩いていて看板や香りを感じ取って店に入るかどうかを決めていたのです。この時代の消費者行動は「AIDMA理論」で説明されていました。
しかし、現代の消費者行動は大きく変化しています。今や多くの人は「スマホでその店の口コミを確認する」行動を取ります。自分の直感よりも「他の人がこの店についてどう評価しているか」を確認し、多くの人の評価を基に入店を決めるのです。これが「AISAS理論」です。
AISAS理論とは?
AISAS理論は、Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の5つの段階から成り立っています。現代の消費者がどのようにして飲食店を選ぶかを理解するためには、このプロセスを知ることが重要です。
1. Attention(注意): 飲食店の存在に気付く。
2. Interest(興味): 店に興味を持つ。
3. Search(検索): ネットで他の人の評価を調べる。
4. Action(行動): 評価を見て来店する。
5. Share(共有): 来店結果をSNSなどに投稿する。
AISAS理論に基づく具体的な集客戦略
1. 注意を引くための施策
まずはお店の存在を知ってもらうことが大切です。店舗の外観や看板を魅力的にするのはもちろんのこと、オンラインでの露出を増やすことも重要です。Googleマイビジネスに登録し、店舗情報を詳細に記載することで、検索結果に表示されやすくなります。また、地域の飲食店紹介サイトやSNS広告を活用して、ターゲット層にリーチしましょう。
2. 興味を引くコンテンツ作り
次に、興味を持ってもらうためのコンテンツを作成します。InstagramやFacebookで美味しそうな料理の写真を投稿し、フォトジェニックな画像でユーザーの関心を引きます。定期的に新メニューや季節限定メニューの情報を発信することも効果的です。
3. ネットでの評価を活用する
消費者が検索する際に、良い評価や口コミが見つかるようにするために、口コミサイトやSNSでの評価を増やす施策を行います。特典を設けて口コミを促進するのも一つの方法です。例えば、「SNSでお店の写真を投稿してくれた方にデザートを無料提供」といったキャンペーンを実施します。
4. 来店を促進するためのアプローチ
ネットでの評価を確認した後、来店を促進するための施策を展開します。ウェブサイトやSNSで予約システムを導入し、簡単に予約できるようにします。また、初回利用者限定の割引クーポンを配布することも有効です。
5. シェアを促す仕組み作り
来店後、SNSでのシェアを促すための仕組みを作ります。例えば、インスタ映えするフォトスポットを店内に設置したり、来店記念に写真を撮ってSNSに投稿してもらうイベントを開催したりします。さらに、シェアしてくれたお客様に対して次回利用できる特典を提供することで、リピーターの獲得にもつながります。
まとめ
現代の消費者行動はAISAS理論に基づいており、飲食店はこの理論を理解し、集客戦略を展開することが重要です。口コミサイトやSNSを積極的に活用し、ネットでの評価を高めることで、新規顧客の獲得とリピーターの増加を目指しましょう。ネットが苦手だと感じる経営者の方も、この機会にインターネットを活用した集客戦略に取り組むことで、大きな成果を得ることができるでしょう。