SKUとは
SKUとは、在庫保管単位(Stock Keeping Unit)の略であり、メーカーや小売業界における在庫管理の最小単位のことです。
日常生活においては「種類」とほぼ同様の意味と考えると理解しやすいかもしれません。在庫管理においては種類より更に厳密な言葉として「SKU」という単語を使われます。一般的に同じアイテムでも、サイズや色が違えばSKUが異なるということになります。
例えば同じデザインのTシャツで色が2パターン、サイズがS/M/Lの3つある場合、「種類」という言葉ではこの「種類」がTシャツの色を主語としているのか、サイズを主語としているかが不明瞭となってしまいます。デザイン、色、サイズ、どれも種類という言葉で一括りにまとめることが可能なためです。このTシャツを例に取ると、2色×3サイズ=6SKUと表すことができます。
また別の例で考えると、例えば洗濯用洗剤に香りが3種類と、ボトルサイズが3種類あれば、これは3香調×3サイズ = 12SKUと表すことができます。このように色、サイズ、香りなどの変数ごとにグループ化された在庫管理上の最小単位をさして「SKU」と呼びます。
SKU単位での管理を支えるJANコード
物流の現場においては、SKU管理は商品に表示または貼付されたJANコード(商品識別コード)によって認識されます。
JANコードは13桁か短縮版8桁の2種類が存在しますが、13桁の場合は事業者コード(9桁または7桁)、商品アイテムコード(3桁または5桁)及びチェックデジット1桁で構成されています。JANコードには、メーカー、商品アイテム等のSKU認識に必要な情報が含まれています。
JANコードはメーカーが一定範囲の中で自由な裁量で発行できるため、メーカー側が別SKUであると分類すれば別のJANコードを割り当てるのが一般的です。このようにSKU管理の骨組みとしてJANコードが大きな役割を担っていると言えます。
SKU管理のメリット
SKU管理のメリットは、主に以下の点にまとめられます。
- 商品のパターン(サイズ・色・香り等)に応じた需要を的確に把握できるため、顧客が望む商品を提供することができる
- 需要が無い商品の補充を減らし、需要の高い商品の補充を増やすことで発注が最適化される(人気商品の在庫切れ防止、不人気商品の売れ残り防止)
- メーカー側の商品リニューアルに際して、リニューアルの内容が大幅でなければ新旧の商品を同一SKUで管理することで切り替え時の在庫ロスを防止できる
- 商品需要に応じた陳列・展開が容易になる
効率的な在庫管理や商品需要に応じたより効果的な展開が可能となります。
SKU管理のデメリット
SKUの最大のデメリットは、管理の難しさと導入時のコストと言えます。
上述の通り大量の商品の仕分けや陳列・販促展開にはSKU管理が前提となりますが、導入から軌道に乗せるようにできるまでには、従業員に一定の経験値が求められます。
POSや在庫管理ソフトなどシステムの導入やその運用・指導にも更なるコストがかかるため、小規模の店舗にとっては初期導入においてかなりの負担が強いられることとなります。